7,8月の「ふうえば」

8月28日(日曜日)は、ふうえば英語時事。もんぜんぷら座にて。

今回は現代経済学の基本をミクロ経済学、マクロ経済学の順で学び、統計データを基に実際の経済を分析します。

レジュメ(日本語です!)は事前に公開。このホームページのメニューに「8月28日レジュメ」とあります。時間があれば事前にご覧ください。

当日はプリントアウトしたものを配布のうえ、事前に読んでいない方も大丈夫なように、レジュメの内容について、ゆっくりと解説していきます。

 

英語記事も用意しますが、こちらはいつもどおり邦訳をつけますので、英語が苦手でも大丈夫です。

安心してご参加ください。

 

**7,8月 これまでのまとめ**

 

7月6日水曜日は予定どおり水曜ふうえば。

毎回参加のAさん、パソコンスキルの一つを見事に習得されました。コツコツは大事ですね。素晴らしい!!

 

7月10日日曜日は、復活後第2回目の日曜ふうえば英語時事。

男性5名、女性2名、20歳から50代以上までの計7名が参加。

今回のテーマは「水害」。環境問題とも絡めて。

資料は、

〇BBCウェブサイトの記事(英語)(ムンバイの水害)

〇同邦訳(鈴木訳)

〇国立環境研究所ウェブサイトの記事(都市型水害について)

〇政府広報オンラインの記事(最近の水害の概況)

〇NHKウェブサイトの記事(地球温暖化のデータ)

〇NHKウェブサイトの記事(国連IPCC2021年報告書)

 

英語記事は1本だけで、しかも、それも邦訳付き。英語時事ですが、英語が全くわからない方でも安心して参加できますね。もちろん説明や議論も日本語で行います。

 

BBCの記事は、ムンバイでは水害が毎年の恒例のようになっていること、しかし近年気候変動により雨量が予測を超えるものとなり被害も甚大化していること、加えて排水システムが上手くいっていないこと、などを指摘していました。

国立環境研究所の記事では都市型水害として内水氾濫と外水氾濫があるということと、そのメカニズムが説明されていました。

政府広報オンラインの記事では日本における水害の概況として、全体の96.8%にあたる1685市区町村で最近10年間に1回以上の水害が発生していること、ゲリラ豪雨が増加傾向にあること、が指摘されていました。

NHKウェブサイトの記事では、気象庁の100年以上にわたる長期データを用いて、地球温暖化は現実に生じていることが示され、もう一つの記事は国連IPCCが2021年の年次報告で初めて地球温暖化の原因は人間の活動であると断じたことを報じるものでした。

 

今日のふうえば参加者の一人はタイに、もう一人はウズベキスタンに住居を構えた経験のある方で、両国の水害の状況についてお話をうかがいました。お二人の話とも興味深いものでしたが特に、タイでも近年はこれまでのパターンとは異なる予測を超えた大雨が降るようになってきているというお話が印象に残りました。

 

ディスカッションに移ると活発な意見が交わされました。

 

水害のメカニズムとして内水氾濫と外水氾濫があるが、後者の例としては2019年台風19号の千曲川堤防決壊、前者の例として善光寺用水の一部、八幡川が近年あふれることが多くなってきているという指摘がありました。(筆者注:この問題に対処するため2022年3月、長野市は北八幡排水区の内水ハザードマップを作製しています)

17世紀初頭の工事で裾花川が妻科付近で南下し犀川に注ぐようになり、あわせ善光寺用水が開設されるまでは、現在の長野市街地を裾花川が流れていたことが指摘され、裾花川から引いた善光寺用水のうち一番北を流れている鐘鋳川は、市立図書館のすぐ南側の道路の下を暗渠となって流れており、裾花川からの流れはその高さまで来ているということも指摘されました。

この鐘鋳川のすぐそばに住んでいる参加者からは、これまでもしょっちゅう鐘鋳川はあふれたが、南側が坂になっているのですぐ流れていき自分の家の付近では水害は生じていないとの発言がありました。

実際、内水氾濫が起るのは長野市内でも標高がもっと下の所が多いようです。

 

地球温暖化の原因については、風潮としてCO₂一辺倒になっているが、舗装化によるヒートアイランド現象、人為とは関係ない氷河期-間氷期サイクルによるものなどもあるのではないかという指摘もありました。

そうはいっても、やはりCO₂の影響は大きい、という反論もありました。

それに対して、いろいろな要因のうちCO₂の地球温暖化に対する寄与度がわからない、という指摘もありました。

メタンのこと、ここから更に近年の脱ミートの動きと将来的な政治的影響(たとえばGAPに影響を与えるためのロビー活動)なども取り上げられました。

 

高専卒業生のエンジニアの卵である参加者からは、太陽光発電は環境に良いと思われがちだが、環境に悪影響を与えている面もあると、具体的な問題点が列挙されました。

参加者の多くがあまり考えていなかった観点であり鋭い指摘でした。

これを受け、風力発電も鳥の死亡や騒音の問題があるという指摘が。

何か一つの方法だけで魔法のように環境問題を解決することはできない、ということでしょうね。

 

若手の参加者から最若手(20歳)の参加者に対し、むかしの人たちの行動のツケを僕らが払わなければならないことを、どう思う? という鋭い投げかけが。

これは実は彼より年上の参加者全員への問いかけでもあるでしょう。

50代の参加者から、いつの世もそうだと思うと前置きがあり、一例として戦後の林業の歴史が語られた。この参加者が子どものころまでは、伐採した木を売る林業というものが産業として成り立っており森林造成(特にスギなどの針葉樹)が推進されたが、その後の長期的な木材価格の低下によって売っても採算がとれなくなり、現在、各都道府県の林業公社の隠れ借金になっていると共に、花粉症の増大といった問題も生じている。でも、昔の人の失政だが、ツケだが、私たちはそれを受け止めて対処していくしかない。責任を負うべき人がいれば応分の負担を求めていくのは当然だが、いずれにせよ受け止めていくしかない。

 

まだまだ、いろんなことが議論されましたが、このくらいで。

ご興味のある方は、ぜひ次の会に参加しましょう。

 

7月13日、20日、8月3日、10日、17日、24日の水曜ふうえばも、予定通り開催されました!!